著者:永田 智睦(API Gateway株式会社 代表取締役)
「フィリピン不動産を現金一括ではなく、ローンを組んで購入したい」「日本の銀行融資が下りなかったけれど、他に方法はないのか」——そんな相談を、私たちは日々たくさんいただきます。
そこで候補に挙がるのが、フィリピン最大級の銀行であるPNB(Philippine National Bank/フィリピン・ナショナル・バンク)の住宅ローンです。実は東京に支店があり、日本にいながら日本語で申し込みができるため、日本人投資家・移住者にとって最も現実的な現地ローンの選択肢のひとつになっています。
今回は、PNB東京支店の担当者への取材動画(「【銀行支店長に聞く】日本からフィリピン不動産ローンは組める?融資条件・審査・注意点を徹底解説」)と、PNB公式サイトの情報をもとに、融資条件・金利・必要書類・注意点までを徹底解説します。
▶ 参考動画:【銀行支店長に聞く】日本からフィリピン不動産ローンは組める?融資条件・審査・注意点を徹底解説
目次
PNB(フィリピン・ナショナル・バンク)とは
PNBは1916年に設立された、フィリピン国内最大級の銀行のひとつです。フィリピン国内に650拠点以上、海外にも70拠点以上を展開しており、日本国内には東京支店(および名古屋出張所)が置かれています。
つまり、わざわざマニラの銀行窓口まで行かなくても、日本国内・日本語で住宅ローンの申し込みが完結するという、他の現地銀行にはない大きな強みを持っています。フィリピン不動産投資において「現地銀行融資」という選択肢を考えるなら、まず名前が挙がるのがPNBです。
日本在住でもPNBの住宅ローンは組める
結論から言うと、日本に住んでいてもPNBの住宅ローンは組めます。
対象となるのは、大きく分けて次の3パターンです。
- フィリピンに居住するフィリピン人(就労者・長期滞在者・永住者など)
- フィリピン人配偶者(日本人または外国人と結婚している場合)
- 日本人、または日本で就労する外国人
つまり、日本国籍の方が単独でPNBローンを利用することも可能ということです。ただし、外国人はフィリピンの土地を単独名義で所有できないというフィリピンの法律上の制約があるため、物件の種類によって扱いが変わってくる点には注意が必要です(詳しくは後述します)。
対象になる物件・ならない物件
PNBの住宅ローンで対象になるのは、メトロマニラおよび主要都市の土地・コンドミニアムです。
ここで特に重要な注意点があります。PNBローンの対象は、「レディプラン(完成済み物件)」のみという点です。
日本人投資家に人気の高いプレビルド(未完成・建築中)物件は、原則としてPNBローンの対象外です。「安いうちにプレビルドで購入して、完成前後に銀行ローンに借り換えよう」と考えている方は、完成のタイミングと融資審査のタイミングをしっかり見据えて計画する必要があるということを覚えておいてください。
なお、1つの物件だけでなく、最大4件までの物件に融資を受けることが可能です。同一プロジェクト内で複数戸を購入する場合、融資申請をまとめて行うこともできます。
気になる金利は?
多くの方が気にされるのが金利です。PNBの住宅ローン(円建て)の金利は、
「みずほ銀行の長期プライムレート+年5%前後」
という変動金利型で、年1回見直しが行われる仕組みになっています。固定の数字ではなく、日本の長期プライムレートに連動する点が特徴です。参考までに、過去の実績では5%台後半程度で推移していた時期もありますが、金利は市況によって変動するため、申込み時点の最新金利は必ずPNB東京支店または私たちのような窓口に直接確認するようにしてください。
日本の住宅ローン金利と比べると高めに感じるかもしれませんが、「そもそも日本の銀行では海外不動産向けの融資が下りにくい」という前提を踏まえると、フィリピン不動産を購入する上での現実的な選択肢のひとつと言えます。
融資限度額(LTV)と最低借入額
融資額の上限は、物件評価額の70%程度が目安とされています。つまり、残りの30%程度は自己資金(頭金)として用意しておく必要があるということです。「頭金部分までローンで賄いたい」というご相談もよくいただきますが、これは対応していません。実際はディベロッパー等により異なります。
また、最低借入金額にも条件があり、目安として100万ペソ以上からの取り扱いとなります。少額の物件だけを対象にローンを組むことは難しいため、この点も事前に確認しておきたいポイントです。
融資期間と完済年齢の制限
融資期間は最長10年〜25年が目安です。加えて、完済時の年齢が原則65歳までという年齢制限が設けられています。
例えば50歳で申し込む場合、単純計算では返済期間は最長25年を希望したとしても、完済時年齢の上限があるため、実際に組める期間は短くなります。年齢が上がるほど毎月の返済負担が大きくなりやすいため、購入を検討し始めたタイミングでできるだけ早めに資金計画を立てることをおすすめします。
諸費用(事務手数料)
融資実行時には事務手数料がかかります。目安は、
「25,000円、または融資金額の1.0%」のいずれか高い方
です。借入額が大きくなるほど手数料も比例して増えるため、資金計画には忘れずに組み込んでおきましょう。
審査にかかる期間と必要書類
審査期間はケースバイケースですが、必要書類が全て揃っている状態で、目安として3週間〜4週間程度が一般的です。但し、これは審査期間ですので、すべての書類が整って最終審査の時間です。現実的には準備から審査、実行までを考えると6ヶ月前後、弊社ではその他の要因を含めて1年ほど前から準備をしています。
必要書類は主に以下のようなものが求められます(個別の状況により異なります)。
- 本人確認書類(パスポートなど)
- 在留資格・ビザに関する書類
- 収入証明書類(源泉徴収票、給与明細など)
- 物件情報(売買契約書、Reservation Agreementなど)
- 印鑑証明書・住民票などの各種証明書類
フィリピン人配偶者名義でローンを組む場合は、夫婦双方の署名が必要な契約書類もあるため、事前にどの書類が誰の名義で必要になるかを整理しておくと審査がスムーズに進みます。
PNBローンのメリット・デメリット
メリット
- 東京支店があり、日本国内・日本語で完結できる
- フィリピンの不動産を担保にできる
- 日本人が日本人での単独名義でも申し込み可能
- 複数物件(最大4件)へのローンにも対応
デメリット・注意点
- 対象は完成済み(レディプラン)物件のみで、プレビルドは対象外
- 融資額は評価額の70%程度が上限で、頭金の準備が必須
- 変動金利のため、将来的な金利上昇リスクがある
- 完済時年齢65歳までという制約があり、年齢が上がるほど組める期間が短くなる
まとめ|まずは無料相談から
PNBの住宅ローンは、日本にいながら日本語で申し込みができるという点で、フィリピン不動産購入における現実的な資金調達手段のひとつです。一方で、対象物件が完成済みに限られること、頭金が必要なこと、年齢による期間制限があることなど、事前に押さえておくべきポイントも少なくありません。
「自分のケースだとどのくらい借りられるのか」「今から購入するなら現金とローン、どちらが良いのか」——こうした資金計画のご相談は、物件ごとの条件によって答えが変わってきます。現実問題として、保有されてる現地ディベロッパーとの連携や日本の銀行との違いの部分、国内の処理・手続きを考えるとご自身でやるよりも弊社のようなフィリピン不動産会社と共に行った方が圧倒的にスムーズです。
弊社では、ツアーや個別面談も行っておりますので、お気軽に公式LINEでお問い合わせください。








