フィリピンは、東南アジアに位置する7100以上の島々からなる群島国家。首都はマニラ、公用語は英語とフィリピン語。人口は1億人を超え、親日的な国民性でも知られています。近年ではIT産業やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が急成長し、アジアのビジネスハブとしても注目されています。
物価が安く、温暖な気候が1年を通して続くこの国は、観光地としてだけでなく、働く場としても脚光を浴びています。特に「ワーケーション(Work × Vacation)」という新しい働き方が広がる中で、フィリピンはその理想的な候補地として再注目されています。
目次
フィリピンがワーケーションに選ばれている理由4選

コロナ禍以降、働き方は劇的に変化しました。リモートワークの普及により、「どこでも働ける」時代が到来。その中で、自然や文化を味わいながら生産性も保てる「ワーケーション先」を探す人が急増しています。
理由①英語が通じるから仕事がはかどる
まず真っ先に伝えたいのが、「英語がほぼどこでも通じる安心感」。これは、フィリピンが他のアジアの国と大きく違う点です。コンビニの店員から、カフェのバリスタ、タクシーの運転手まで、日常会話レベルの英語ならほとんど問題なく通じます。
さらに特筆すべきは、現地のビジネスパーソンの多くが流暢な英語を話すということ。英語教育に力を入れている国だからこそ、コワーキングスペースでは海外から来た起業家やノマドワーカーたちとも対等に会話ができる環境が整っているのです。「海外=言葉の壁が不安」というイメージを持っている方にこそ、フィリピンはおすすめです。言葉が通じる安心感は、仕事の効率を何倍にも高めてくれますし、何より精神的なストレスが少ない。これはワーケーション先として選ばれる最大の理由のひとつと言えるでしょう。
理由②生活費が安くて長期滞在にも向いている

東京で暮らしていると、月10万円以下の生活なんて想像できませんよね。でも、フィリピンではそれが現実になります。家賃、食費、交通費すべてが圧倒的にリーズナブル。
例えば、マニラ市内のアパートは月5万円〜外食は1食500円ほどで済む場所もあり、マッサージも1時間1000円前後。
そして意外にありがたいのが、洗濯やクリーニング代の安さ。マニラには街角に小さなランドリーショップがたくさんあり、1kgあたり50ペソ(約130円)程度で洗濯〜乾燥〜畳みまでやってくれる。忙しい日々の中で、この時間を買える感覚はかなり助かりました。
「安いけど不便」ではなく、「安くて快適」が成り立つのがマニラの強さです。しっかり働きつつ、生活費を抑えて、浮いた分を自己投資や勉強に回せる。これは都市型リモートワーカーにとって、大きな武器になるはずです。
理由③暖かい気候が心と体を整えてくれる

フィリピンは常夏の国で、年間の気温は平均して25〜32度前後で推移していて、日本のような四季の変動がほとんどありません。しかも、スギやヒノキといった花粉症の原因になる樹木がほぼ存在しないため、春になっても「目がかゆい」とか「鼻が止まらない」といった症状がゼロ。
強すぎない日差しと海風の湿度がちょうどよくて、肌の調子も整う。僕自身、マニラにいた2週間で、肌荒れが明らかに減りました。おまけに、自然光の中で仕事ができる時間が長い。カフェの窓際や屋外テラスでノートパソコンを開くと、どこかで心がゆるみ、深呼吸が自然とできている自分に気づきます。
人間って、気候ひとつでこれだけ変わるんだなと実感しました。もちろん、湿度が高めの日やスコールが降る時間帯もありますが、それすらも「南国の風物詩」として捉えられるくらい、全体の環境が快適なんです。
暖かい気候の国々では、自殺率が低い傾向がありますが、これは気候だけでなく、文化的・社会的要因も関与しています。気候が精神的健康に与える影響を考慮することは、ワーケーション先を選ぶ際の重要な要素の一つとなるでしょう。
理由④日本から近く、アクセスもスムーズ

ワーケーションを検討する際、「業務に支障をきたさない距離感」は非常に重要な判断軸です。特に日本国内における業務との連携や、有事の際の緊急帰国を前提とした場合、フィリピンは距離・時間・コストのバランスが取れた渡航先といえます。
日本からフィリピンへの渡航時間は、東京・大阪からマニラまたはセブへの直行便で約4〜5時間。この距離感は、東南アジア諸国の中でも際立って近く、長時間のフライトに伴う身体的負担を最小限に抑えられる点で優れています。時差はわずか1時間であり、日本時間に合わせた業務スケジュールの維持がほぼ可能です。これにより、リモートワーク中もクライアントとのミーティングや社内会議への参加においてタイムラグが生じることはほとんどありません。
気をつけたいポイントとワーケーション成功のコツ

フィリピンでのワーケーションは、確かに快適で充実した時間が過ごせます。けれど、「海外で働く」ということには、やはり日本とは異なる注意点がいくつかあります。ちょっとしたトラブルを避けるためにも、事前に知っておくと安心できるポイントをまとめておきます
Wi-Fiと電源は確実に使える場所を把握しておく
まず最も重要なのはインターネット環境です。マニラやセブの都市部では多くの場所でWi-Fiが整備されていますが、エリアによっては速度が不安定になることも。ビデオ会議が頻繁にある人は、事前にコワーキングスペースやホテルの通信状況を確認しておくことをおすすめします。4星以上のホテルではればWi-Fi環境はしっかりしていて問題ありません。
治安はエリア選びで大きく変わる
「フィリピン=治安が悪い」といったイメージを持たれがちですが、実際は場所によります。マカティやBGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)といったビジネス街は警備体制もしっかりしており、女性の一人歩きも比較的安全です。ただし、夜間の一人歩きや、路地裏への立ち入りは控えるのが基本。
現地のニュースやSNS、渡航者のブログをチェックして、トラブルの多い地域には近づかないことが肝心です。Grab(配車アプリ)を使えば、タクシー交渉やぼったくりリスクも回避できます。
お腹を壊さないための「水」と「氷」に注意
水道水は基本的に飲まない方が安全です。コンビニやスーパーで売っているミネラルウォーターを常備しましょう。飲食店では水や氷がミネラルウォーター由来かどうか、確認できる場合はチェックを。屋台や露店の食事も魅力的ですが、初日から攻めすぎない方が無難です。
医療体制と保険は事前に確認を
軽い風邪や腹痛なら市販薬でも対応可能ですが、万一の病気やケガに備えて海外旅行保険の加入は必須です。クレジットカード付帯のものでもOKですが、補償内容は事前にチェックを。
また、都市部には日本人経営の病院もありますので、滞在エリア周辺の病院をGoogle Mapで事前に登録しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
フィリピンのゆるやかな時間感覚を知っておく
フィリピンでは、良くも悪くも「時間に厳格ではない」文化があります。「フィリピンタイム」とも言われ、例えば約束の時間に15分〜30分遅れるのは珍しくありません。これを「いい加減」と捉えるとストレスになりますが、ゆるやかさを楽しむくらいの心構えで行くと、だいぶラクになります。
ただし、仕事の締切や日本のクライアントとの約束には、自分の中できちんとスケジュールを保っておく必要があります。
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フィリピンは、単に南国でのバカンスを楽しむための場所ではありません。英語が通じる実用性、生活コストの安さ、心と体をゆるやかに整えてくれる気候、そして日本からすぐに戻れる地理的な近さ。そこにあるのは、観光ではなく「暮らすように働く」ためのリアルな環境です。
とはいえ、海外でのワーケーションには不安もつきもの。滞在先の選び方、ネット環境のこと、治安や医療体制初めての方であればなおさらです。
だからこそ、「ちょっと話を聞いてみたい」「自分に合っているか相談したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの働き方やライフスタイルに合わせて、フィリピンでの最適なワーケーションのかたちをご提案いたします。
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