フィリピン

知らないと損する?フィリピンのチップマナーと相場まとめ

フィリピンを訪れると、街中のレストランやホテル、タクシー、スパまで、あちこちで「チップ」という言葉を耳にします。欧米のように必須ではありませんが、現地ではチップを渡すことでサービスを受けやすくなることも多く、旅行者として知っておくと安心です。
この記事では、旅行者が知っておくべきチップの歴史・文化・状況別相場・渡し方のコツを詳しく紹介します。

【フィリピン旅行ガイド】チップ文化の背景

フィリピンのチップ文化は、実はアメリカ統治時代に深く根付いたものです。

それ以前のスペイン統治時代には、チップの習慣はほとんどなく、贈り物や心付けの形で感謝を表す程度でした。しかし、アメリカ統治を経て、西洋式のチップ文化が定着。

ホテルやレストランではサービス料が自動的に加算されることもありますが、追加で感謝の気持ちとしてチップを渡すことは、今でも自然な習慣です。旅行者として覚えておきたいのは、チップは義務ではなく、あくまで「ありがとう」を形にする手段」ということです。渡すかどうかはサービスへの満足度や状況によって柔軟に判断できます。

チップの相場は?大体10%が基本!渡さなくてもOK!

フィリピンにおけるチップの相場は大体10%が基本とされています。ただし必須ではないため、渡さなくても問題ありません。
また、会計にすでにサービスチャージが含まれている場合には、追加でチップを払う必要はないと考えて大丈夫です。

基本的には「感謝の気持ちを表すもの」として考えられているので、強制ではないため状況に応じて柔軟に対応しましょう。

良いサービスを受けたと感じたときに感謝の気持ちとしてチップを渡すと、お互いに気持ちよくやり取りができるでオススメです!

 

「レストランでのチップ」端数でも気持ちを伝える!

カジュアルなレストランでは、チップは小額で十分です。たとえば、友人と一緒に地元のカフェでランチをしたとします。

合計が195ペソだった場合、200ペソ払って5ペソをチップにするだけでも十分喜ばれます。チップを渡すときに「サラマット!(ありがとう)」と一言添えると、スタッフも笑顔になり、気持ちが伝わります。

一方、高級レストランでは少し計算が必要です。サービス料が含まれていない場合は、10〜15%が目安。

ディナーの合計が2,000ペソなら、200〜300ペソをチップとして渡すのがスマートです。高級店では、紙幣をきれいに折って手渡すと印象が良くなります。

「ホテルでのチップ」ポーターからハウスキーピングまで

ホテルに着いたとき、まず目に入るのがポーター。重い荷物を運んでくれるスタッフには、荷物1個あたり20〜50ペソを渡すのが一般的です。笑顔で「サラマット!」と言うだけで、サービスも一層丁寧になります。

ルームサービスの場合は、料金の10〜20ペソを部屋に置くか直接渡すだけで十分です。滞在中お世話になるハウスキーピングのスタッフには、1日あたり50ペソ程度を、最終日にまとめて渡すのも良い方法です。こうした小さな心遣いが、滞在をより快適にしてくれます。

「タクシー・Grab」端数のやり取りでスマートに!

街中の移動ではタクシーやGrab(配車アプリ)を利用することが多いでしょう。タクシー運転手には料金の10%程度をチップとして渡すのが一般的です。短距離の場合は端数を切り上げて渡すだけでも十分です。
Grabの場合も同じで、お釣りや端数をチップとして渡すとスマートです。

例えば、タクシーの料金が180ペソなら200ペソ払って20ペソをチップにする、そんな簡単な心遣いが現地の人々に喜ばれます。

「スパ・美容院」満足度に応じて気持ちを。

フィリピンのスパや美容院でもチップは歓迎されます。マッサージや美容師へのチップは料金の10〜15%が目安。長時間の施術や特別なサービスを受けた場合は、少し多めに渡すと「気持ちが伝わった」と喜ばれます。
欧米ほど厳格ではありませんが、渡すことでスタッフとのコミュニケーションが円滑になり、より丁寧な対応を受けられることもあります。

「ツアーガイド・ドライバー」一人ひとりに感謝を。

観光ツアーに参加する場合、ガイドやドライバーに感謝を示すことも重要です。1日あたりツアーガイドには100〜200ペソ、ドライバーには50〜100ペソを目安に渡すと良いでしょう。複数人で参加する場合は、1人あたりの金額で計算すると分かりやすいです。

サービス 目安のチップ額 ポイント
レストラン(カジュアル) 端数を切り上げて5〜20ペソ程度 お釣りや端数をチップにするだけでOK
レストラン(高級) 10〜15% サービス料が含まれていない場合に渡す
ホテルポーター 荷物1個につき20〜50ペソ 笑顔で渡すと印象アップ
ルームサービス 10〜20ペソ 部屋に置くことも可
ハウスキーピング 1日50ペソ程度 滞在最終日にまとめて渡してもOK
タクシー運転手 料金の10%または端数繰り上げ 短距離でも端数を渡すとスマート
Grab(配車アプリ) 端数やお釣り アプリで支払い後に手渡しでOK
マッサージ・スパ 料金の10〜15% 特別施術や長時間の場合は少し多め
美容院(カット・カラーなど) 料金の10%程度 満足度に応じて調整可能
ツアーガイド(半日) 50〜100ペソ/1人 グループの場合は人数分まとめて計算
ツアーガイド(1日) 100〜200ペソ/1人 特別な対応に対しては追加で渡す
ドライバー(半日) 50ペソ/1人 短距離の場合は端数を渡すだけでもOK
ドライバー(1日) 50〜100ペソ/1人 グループ参加の場合は1人あたりで計算

フィリピン人の職業別給料相場は?

ジョリビーの店員

2025年7月18日から施行された Wage Order No. NCR-26 により、フィリピン首都圏(NCR)の最低賃金は引き上げられました。非農業部門では日給₱695、農業やサービス・小規模小売業(従業員15名以下)では日給₱658が新たな基準となっています。今回の改定は₱50の増額となり、首都圏でフル出勤した場合の月収目安は約₱18,070となります。

一方で、最低賃金は地域ごとに異なり、地方は首都圏よりも10〜20%ほど低めに設定されているのが一般的です。そのため、都市部と地方では実際の収入に差がある点を踏まえておく必要があります。

職種 主な業務内容 月収相場(PHP)
最低賃金労働者(一般作業員) 工場・小売店・建設などでの基本労務作業 約 ₱18,070
コールセンター/BPOスタッフ 顧客対応、テクニカルサポート、英語での電話・チャット業務 ₱20,000~30,000
ウェイター/レストランスタッフ 接客、料理提供、会計補助、清掃 ₱16,000~20,000
ホテル・フロントスタッフ チェックイン/チェックアウト対応、予約管理、ゲストサポート ₱18,000~22,000
ツアーガイド 観光案内、スケジュール管理、外国人観光客への通訳・説明 ₱12,800~25,600
配達ドライバー フードデリバリー、宅配業務、物流配送 ₱20,000前後
公立学校 教師(Teacher I) 授業実施、教材準備、生徒の学習指導 ₱28,512
公立病院 看護師(Nurse I) 患者ケア、投薬、バイタルチェック、医師の補助 ₱38,413
ITエンジニア/開発者 システム開発、アプリ設計、ネットワーク管理 ₱50,000以上
平均給与(全産業) フィリピン全体の平均水準(統計により差あり) ₱19,436~₱44,800

 

フィリピンでのチップ用小銭の作り方・準備のコツ

フィリピン旅行で意外と多くの人が困るのが、「チップを渡したいのに小銭がない!」 というシーンです。 レストランやホテルでのスマートな立ち振る舞いも、小さな紙幣や硬貨を持っているかどうかで大きく変わります。

フィリピンでは₱20や₱50といった少額紙幣が特に重宝されるため、あらかじめ準備しておくだけで、慌てずに気持ちよくチップを渡すことができます。ここでは、現地で役立つ「小銭を作る・残しておくコツ」をご紹介します。

両替時に「小額紙幣」を多めにもらう

空港や街中の両替所では、₱50・₱100札を多め にリクエストするのがおすすめ。
・ ₱1,000札や₱500札ばかりだと、少額チップやタクシーで困ることが多い。
・両替の際に「Can you give me small bills?」と伝えればOK。

コンビニ・スーパーで小銭を確保

チップでよく使うのは ₱20・₱50・₱100
・ Grabやレストランで細かいお釣りが出にくいので、コンビニ(7-ElevenやMiniStop)で水やお菓子を買って小銭を作るのが定番テクニック。

チップ用の財布やポケットを分ける

普段の財布に大きなお札しか入っていないと、いざチップを渡すときに慌てる事があります。
・「チップ専用の小さな財布」や「ズボンの小ポケット」 に ₱20札・₱50札を数枚入れておくとスマート。
・ 特にホテルやツアー中は、素早く渡せると印象も良い。

タクシー・Grabは「お釣り不要」がスマート

₱150の料金で₱200渡して「Keep the change」と言えばチップ代わりになる。
・ただし大きすぎるお札(₱500・₱1,000)を出すと嫌がられるので注意。

まとめ

フィリピンでのチップは義務ではなく、「ありがとう」の気持ちを形にする習慣です。

相場を知っておけば、観光客として恥ずかしい思いをせずに済みますし、現地の人にとっても大きな励みになります。ポイントは、20〜50ペソ札を常に数枚持っておくこと。

両替のときに小額紙幣をもらったり、コンビニでお釣りを崩したりと、少し工夫するだけでスムーズにチップを渡せます。

スマートにチップを渡すことで、旅先での人間関係もより温かいものに変わります。
ぜひこの記事を参考に、フィリピンでの滞在を気持ちよく、そして心豊かに楽しんでください。