フィリピン

【2026年最新】フィリピン不動産の主要ディベロッパー完全ガイド

フィリピンで不動産を買うとき、案外みんな見落としがちなのが「これ、誰が建ててるの?」というところ。日本と違って完成前に売る「プレビルド」がまだまだ主流なので、竣工まで3〜5年待つ間に開発会社が資金ショートしたら、その物件はほぼ紙くずになります。だから物件そのものより、まずディベロッパーを見る方が先です。

この記事では、当サイトに掲載中の物件を建てている会社と、フィリピン国内で日本人が最低限知っておいた方がいい大手ディベロッパー、あわせて12社を紹介します。日本企業と組んでいる案件もいくつかあって、そこは意外と穴場だったりします。

1. なぜディベロッパーで決まるのか

フィリピンは平均年齢25歳前後、人口はもう1億1,400万人を超えていて、ASEANの中でも人口ボーナスがこれから10年以上続く数少ない国です。GDPも毎年5〜6%伸びていて、BPO産業と、世界中で働く出稼ぎ労働者(OFW)が送ってくる送金がその下支え。マニラ首都圏のコンドミニアム価格は、この10年でざっくり2倍になりました。

なぜディベロッパーが大事かというと、フィリピンの新築市場は基本的に「プレビルド販売」だからです。着工前や建設中に頭金と分割で買って、完成後に賃貸に回すか売り抜けるのが定番。ただ、竣工まで3〜5年かかるので、その間に開発会社が飛んだら終わりです。実際、名前の通っていない中小デベで工期が数年ずれた例や、途中で計画が縮小された案件も過去にはあります。だから「どこが建てるか」を最初に確認するのが、フィリピン不動産の鉄則です。

2. プロパティPH掲載物件を開発する3社

2-1. DMCI Homes(ディーエムシーアイ・ホームズ)

The Valeron Tower

コンスンジ財閥が持っている、フィリピン建設業界の名門です。プロパティPHに掲載している14物件のうち、実に8物件がDMCI Homesの開発。ほぼ半数を占めています。

会社概要

  • 設立:1995年(商業運用は1999年、初プロジェクトはタギッグ市 Lake View Manors)
  • 親会社:DMCI Holdings, Inc.(PSE上場、ティッカー:DMC)
  • 創業一族:Consunji(コンスンジ)家
  • 本社:マカティ市 Bangkal
  • ライセンス:2017年、PCABより不動産開発会社としてフィリピン初のQuadruple A(AAAA)取得

DMCIグループの強みは、母体が1954年創業の総合建設会社D.M. Consunji, Inc.であること。SolaireカジノもSM Megamallも、マカティ・スカイウェイも、NAIA Expresswayも、JICA円借款のメトロマニラ地下鉄も、みんなここが施工しています。要するに「建てる技術」は業界でも群を抜いていて、その本社工事部門が住宅もやっている、というのがDMCI Homesの立ち位置です。

物件のコンセプトは「Resort-inspired Living(リゾート発想の暮らし)」。Lumiventt® Design Technologyという独自設計で、5階ごとにスカイパティオ(3階分の吹き抜け)と、両サイドに通り抜けのブリーズウェイを設けて、自然採光と自然換気を最大化しています。熱帯のフィリピンでエアコン代が抑えられるので、賃貸の入居率が高いんです。

価格帯はだいたい500万〜1,500万ペソ(1,300〜4,000万円台)で中間層向け。BGC・オルティガス・マカティといったCBD周辺やC-5沿いに集中していて、実需の賃貸マーケットが厚いエリアばかり。フィリピン不動産を初めて買う日本人にとっては、まず最初に候補に上がる名前です。

代表プロジェクト

  • The Valeron Tower(パシグ、丸紅との合弁)
  • Prisma Residences、Allegra Garden Place(パシグ)
  • Kai Garden Residences(マンダルヨン、和のデザインテーマ)
  • Infina Towers、The Oriana、Cameron Residences(ケソン)
  • Fortis Residences(マカティ、DMCIハイエンドライン)
  • The Camden Place(マラテ、デラサール大学至近)

丸紅との合弁「The Valeron Tower」

DMCI Homesは日本の丸紅と組んで、パシグ市のC-5沿いに The Valeron Tower を建てています。設計はDMCIお得意のリゾート型・Lumiventt®を踏襲しつつ、丸紅が日本流の品質管理・工程管理・アフターサービス基準を持ち込んでいる、日比合作の代表的な案件です。

丸紅はもともとフィリピンで電力・インフラ・エネルギー分野に長く関わってきた商社で、住宅への本格参入としてはこれが目玉プロジェクト。1BRから3BRまで、面積46.5〜63㎡、価格は928万ペソ(約2,413万円)〜。ミッドアッパー層向けの価格帯で、BGCにもオルティガスにも出やすい立地なので、賃貸で回すにも売却するにもシナリオを描きやすいプロジェクトです。

2-2. Federal Land / Federal Land NRE Global(野村不動産合弁)

The Seasons Residences

フィリピン第2位級の商業銀行「メトロバンク」と Toyota Motor Philippines を傘下に持つTy財閥の不動産部門。当サイトでは、BGCの旗艦タワー「The Seasons Residences」とマンダルヨンの複合開発「The Observatory」を扱っています。

会社概要

  • 設立:1972年
  • 親会社:GT Capital Holdings(PSE:GTCAP、2012年上場)
  • グループ:メトロバンク、Toyota Motor Philippines(51%保有)、AXA Philippines
  • 創業一族:故George S.K. Ty氏を源流とするTy(ティー)家

2016年、Federal Landが野村不動産ホールディングスと合弁で Federal Land NRE Global(FNG)を立ち上げました。旗艦はBGCの The Seasons Residences で、日本の四季(Haru・Natsu・Aki・Fuyu)にちなんだ4棟構成。日建設計が監修していて、低層部にはフィリピン初のMITSUKOSHI(三越伊勢丹)が入っています。ただの分譲マンションではなく「日本ブランドを体験できる複合施設」という位置づけで、BGC在住の日本人や日本人投資家からダントツで人気があります。

もう一つの The Observatory は、パシッグ川沿い約4.5haの複合開発。EDSAから近く、新地下鉄計画エリアにも当たっているので、これから伸びる立地です。

価格帯は280万ペソ台のミッドから4,500万ペソを超えるラグジュアリーまで幅広く、Ty財閥の与信を背景に完工リスクが小さいので、日本人富裕層が最初に検討するブランドの一つになっています。

代表プロジェクト

  • The Seasons Residences(BGC、野村・三越伊勢丹合弁)
  • The Observatory(マンダルヨン)
  • Grand Hyatt Manila Residences(BGC、ハイアット提携)
  • Riverpark(カビテ州、約600haのタウンシップ)

2-3. Golden Topper Group(ゴールデン・トッパー・グループ)

PARK ONE Project

当サイトの「PARK ONE Project(パークワン/ラスピニャス)」を建てている香港系の会社です。フィリピン地場の名門ではなく、香港を軸にアジア各国で開発している多国籍企業。フィリピン市場に本格参入したばかりの、これから知名度が上がるタイプのディベロッパーです。

会社概要

  • 親会社:Golden Topper Holdings Limited(香港証券取引所メインボード上場、ティッカー:09991.HK)
  • 本拠:香港。フィリピンでは現地子会社を通じてラスピニャスを起点に開発
  • ガバナンス:香港上場企業として財務・大株主情報が公開されている

PARK ONE はラスピニャス市内で進行中の、全7棟構成の大規模プロジェクト。2023年7月に販売開始した第1棟は8か月で75%以上が売れました。この販売スピードはフィリピンの需要と、この会社の営業網の強さを裏付けています。今は後続棟(C棟など)が販売中で、完成予定は2029年11月。ローンチ初期の価格で拾える大型物件は、正直マニラ首都圏ではもうそんなに残っていません。

ラスピニャスの成長要因

  • LRT-1南延伸:2025年開業でPARK ONEから徒歩約10分圏に新駅。マカティCBD・BGC・NAIA国際空港へのアクセスが激変
  • ビリヤル財閥主導:元上院議員マヌエル・ビリヤル氏がベイエリアに匹敵する規模の統合型カジノ・ホテル・商業複合開発を同エリアで進行中
  • 南部通勤圏の再評価:渋滞回避と鉄道延伸で、若手BPO従事者・ファミリー層のベッドタウン化が進行中

価格・支払いプラン

  • スタジオ:約333万ペソ〜(約900万円〜)
  • 間取り:STUDIO / 1BR / 2BR(21.7〜37.1㎡)
  • 頭金:完成までのDP 10%(初期費用 約68.8万円〜)
  • 月々のお支払い:約17,645円から

DMCIやSMDCより一段下のエントリーレンジで、頭金70万円・毎月2万円弱で首都圏プレビルドが持てるので、初めての一戸としてはかなり入りやすい水準です。ただし Ayala Land や Federal Land といったフィリピン第一線の財閥系と比べると日本での知名度はまだこれから。香港上場の与信で竣工リスクはそれなりにヘッジされますが、「誰でも知っている安心ブランド」ではない、という点は割り切って、成長ストーリーと価格の割安感を評価できる投資家向けです。

3. フィリピンを代表する大手ディベロッパー6社

当サイト掲載物件以外にも、フィリピンで物件を比較するときに必ず名前が挙がる会社があります。ここからは掲載外の大手を6社まとめて紹介します。

3-1. SM Development Corporation(SMDC)

SM Development Corporation(SMDC)

フィリピン最大の財閥「SMグループ」の住宅部門で、フィリピン全土に80以上のショッピングモールを展開する SM Supermalls の集客力を背景に、モール直結型のコンドミニアムを大量供給しているのがSMDCです。プロパティPH掲載の Anissa Heights Project もSMDC系列。

会社概要

  • 設立:1975年前後にSMグループ住宅開発部門としてスタート
  • 親会社:SM Prime Holdings(PSE:SMPH)の100%子会社(2013年に統合)。SMPHはさらに SM Investments Corporation(PSE:SM)の上場子会社
  • グループ創業者:故Henry Sy Sr.(1924–2019)。フィリピン最大のコングロマリットを一代で築いた立志伝中の人物
  • 本社:パサイ市 Mall of Asia Complex
  • 供給実績:累計10万戸超、進行中プロジェクト30件以上、NCR10地域+地方11地域の計21ロケーション

2025年にブランドが3ラインに整理されました。CBDに建つ高層型が「SMDC Heights」、中層のウェルネス志向が「SMDC Nature」、郊外の一次取得ファミリー向け戸建てが「SMDC Symphony Homes」。ターゲット層がきれいに分かれているので、投資家としては「誰に貸すか」「誰に売るか」を設計しやすい体系になっています。

SMDCの武器は、なんといっても「モール隣接立地」の独占です。Mall of Asia、SM Aura、SM Megamall、SM North EDSA、SM Southmall、SM Seaside Cebu など、SMグループ運営の巨大モールに物理的につながっている、または徒歩数分圏にある物件を確保できるのはこの会社だけ。フィリピン人にとってSMモールは日常生活のハブそのものなので、そこに直結する住居は貸すのも売るのも需要が読みやすく、テナント募集期間も短くなりがちです。

もう一つは価格の入りやすさ。1BRが約300〜500万ペソ(800〜1,350万円)で、頭金10〜15%を残額と分けて竣工までに払っていく設計です。頭金50〜100万円で参入できるので、フィリピン中間層のはじめてのコンドとしても、日本の一次投資家の試し買いとしても圧倒的に選ばれます。加えて住宅ローンはBDO Unibank、日常買い物はSM Supermarket・Watsons・Alfamart、支払いはGCash──と、居住者が使うインフラがそのままグループ内で完結するのも他社にはない強みです。親会社SMPHはPSE不動産セクター最大級の時価総額で、完工リスクは業界でも最も小さい部類に入ります。

代表プロジェクト

  • Shore Residences 1/2/3(パサイ、Mall of Asia Complex隣接)
  • Sail Residences(Mall of Asia内、PropertyGuru Philippines Awards 建築デザイン部門受賞)
  • Grass Residences/Fern at Grass Residences(ケソン、SM North EDSA隣接)
  • Air Residences/Jazz Residences/Light Residences(マカティ/マンダルヨン)
  • Anissa Heights(パサイ、16〜27.5㎡のスタジオ・1BR中心、310万ペソ〜)

3-2. Ayala Land, Inc.(アヤラランド)

Ayala Land マスタープラン開発

フィリピン不動産の話をするなら、アヤラランドを外すことはできません。親会社の Ayala Corporation は1834年創業、フィリピン最古の財閥で、戦後にマカティCBDそのものをゼロから作り上げた会社です。「フィリピン不動産の総本山」というのは決して大げさではなくて、Makati Avenue、Ayala Triangle、Greenbelt といった地名を並べれば、あの街の骨格が全部ここの手による設計だと分かります。

会社概要

  • 設立:1988年(Ayala Corporationの不動産部門から分社)
  • 上場:PSE:ALI(1991年7月上場)
  • 親会社:Ayala Corporation(PSE:AC、1834年創業。Zóbel de Ayala家の持株会社Mermac, Inc.が支配株主)
  • 本社:マカティ市 Ayala Triangle(Tower One and Exchange Plaza)
  • 業績(2024年通期):売上高1,807億ペソ、純利益282億ペソ、総資産約9,187億ペソ(日本円で約2.3兆円規模)

5階層のブランド体制

住宅ブランドは5階層に分かれていて、この体系性は他社にはありません。予算に応じて同じグループ内でブランドを選び分けられるのが、日本人投資家にとってかなり大きなメリットです。

  • Ayala Land Premier(ALP):超富裕層/ラグジュアリー。Roxas Triangle、Park Terraces、Two Roxas Triangle
  • Alveo Land:アッパーミドル〜富裕層。BGC、Cebu IT Park、Vertis North等のプレミアム分譲
  • Avida Land:ミドル〜アッパーミドル。都市部の実需・投資向け Avida Towers を全国展開
  • Amaia Land:エコノミー〜ミドル。若年ファミリー向けの低層コンド+タウンハウス
  • BellaVita Land:エコノミー社会住宅

代表プロジェクトを挙げるときりがないですが、Makati CBDに加えて、BGC(One BGC、Park Terraces、Two Roxas Triangle等)、Nuvali(ラグナ州1,860haのグリーンタウンシップ)、Arca South(タギッグ市74ha)、Vertis North(ケソン市29ha)、Vermosa(カビテ725ha)、Cebu IT Parkあたりが目玉です。街ごと作って、モール・オフィス・学校・公園・病院までグループで整備するので、10年後・20年後の資産価値が落ちにくい、というのが最大の強み。

あと日本との関係でいうと、親会社Ayala Corporationには三菱商事が1970年代から資本参加しています。取締役派遣、再エネJV、オルティガス地区の共同開発など、半世紀にわたる付き合いがあるので、日本の商社パーソンからも信用が厚いブランドです。

3-3. Megaworld Corporation(メガワールド)

Megaworld Newport City

Andrew Tan氏が率いる Alliance Global Group 傘下のメガワールドは、フィリピン不動産のあり方そのものを変えた会社です。何を変えたかというと、住宅・オフィス・商業・ホテル・教育を一つの街区で完結させる「Live-Work-Play-Learn」型の大規模タウンシップ開発を、フィリピンで最初に体系化しました。

会社概要

  • 設立:1989年(Andrew Tan氏設立)、1994年PSE上場、1999年に現社名
  • 上場:PSE:MEG(PSE Composite Index構成銘柄)
  • 親会社:Alliance Global Group(PSE:AGI)。Emperador(世界最大のブランデー)、Golden Arches(マクドナルドPH)、Travellers International(Resorts World Manila)を擁するコングロマリット
  • 本社:タギッグ市 Uptown Bonifacio、Alliance Global Tower
  • タウンシップ数:全国30以上、総開発面積6,000ヘクタール超
  • 業績:2025年上期純利益120.9億ペソ(前年比+23%)、2026年Q1純利益62億ペソ
  • 関連上場企業:Empire East、Suntrust Properties、Global-Estate Resorts、MREIT(PSE:MREIT)

代表的なタウンシップ

  • Eastwood City(ケソン市/18ha):フィリピン初のIT-BPMサイバーパーク(1999年開業)
  • McKinley Hill(タギッグ市/50ha):スペイン・イタリア風のヨーロピアン・タウンシップ
  • Uptown Bonifacio(BGC/15ha):Uptown Mall、Grand Hyatt Manila、Alliance Global Tower
  • Newport City(パサイ市/25ha):NAIA国際空港隣接、Resorts World Manila、Grand Westside Hotel(1,530室)
  • The Mactan Newtown(セブ・ラプラプ市/30ha):ビーチフロントタウンシップ
  • 地方展開:Iloilo Business Park、Southwoods City、Maple Grove、Paragua Coastown、Capital Town、The Upper East

投資家目線で言うと、メガワールドの一番の魅力は「BPOテナントによる賃料の安定」と「REITでの資産回転」。欧米系BPO企業が長期入居するオフィスから継続的にドル建て賃料が入り、成熟した資産はMREITに移管して現金化、その資金で新しい住宅を建てる──というサイクルが回っています。地方タウンシップが多いので、メトロマニラ集中のリスクを地理的に分散したい人にも合うポートフォリオです。

日本企業とは、子会社の Suntrust Properties が阪急阪神不動産と組んで、オルティガスで The Sapphire Bloc を開発しています。またBGCの The Seasons Residences も Federal Land・野村不動産・三越伊勢丹・三菱地所レジデンスといった日本勢のジャパンコンソーシアム型で運営されていて、メガワールドグループも関わっています。

3-4. Robinsons Land Corporation(RLC)

メトロマニラ市街

Robinsons Land は、フィリピン最大級のコングロマリット「JG Summit Holdings」(Gokongwei家)の不動産部門。JG Summit傘下には、フィリピン最大手LCCの Cebu Pacific、食品飲料の Universal Robina、Robinsons Retail、GoTyme Bank があり、電力の Meralco に29.56%、通信の PLDT に11.27%を出資している巨大企業体です。

会社概要

  • 設立:1980年(2026年で創業45周年)
  • 上場:PSE:RLC(PSE Composite Index構成銘柄)
  • 子会社REIT:RL Commercial REIT(PSE:RCR)を2021年上場。フィリピンで地理的網羅性が最も広いREIT
  • 業績(2024年通期):総資産2,612.27億ペソ、売上428.8億ペソ、純利益132.1億ペソ
  • 経営陣:会長James L. Go、社長CEO Lance Gokongwei
  • 本社:ケソン市 Robinsons Galleria(EDSA×Ortigas Avenue)

6つの事業ディビジョン

RLCの特徴は事業が6本に分かれていて、単一セグメントに依存していないところ。仮に住宅市況が悪くなっても、モールやオフィスで持ちこたえられる構造です。

  • Robinsons Malls:フィリピン第2位のモールチェーン(全国50超)
  • Robinsons Offices:フィリピン最大級のオフィスランドロード
  • Robinsons Residences(RLC Residences):The Sapphire Bloc、The Trion Towers、The Radiance Manila Bay
  • Robinsons Hotels & Resorts:Summit Hotels、Go Hotels、The Westin Manila
  • Robinsons Destination Estates:Bridgetowne、Sierra Valley
  • Robinsons Logistix and Industrials(RLX):物流・産業施設。日系3PL(郵船ロジ、日通、近鉄)テナント需要にも対応

旗艦はケソン市/パシグ市境にまたがる Bridgetowne Destination Estate(30.6ha)。オフィスタワー、Grand Westin Manila、住宅、学校、病院を含む複合開発で、Jefre作の巨大彫刻「The Victor」がランドマークになっています。もう一つの Sierra Valley(タイタイ/カインタ18ha)は、東部メトロマニラの新しい玄関口として動いているエリアです。

日本企業とは、2019年12月に双日と合弁契約を結び、サンフアン市Greenhillsで270億ペソ規模の Chimes Greenhills を共同開発中。双日にとってフィリピン住宅市場への本格参入案件で、業界的にはかなり注目されている取り組みです。

3-5. Empire East Land Holdings(エンパイアイースト)

メトロマニラ ナイトビュー

Empire East は、1994年にメガワールドから分社したTOD(駅近型)中価格帯コンドミニアムの専門会社。PSE:ELI、Alliance Global Group 傘下でメガワールドと同じ Andrew Tan 財閥系列です。本社はメトロマニラ・パシグ市の Empire East Center Ortigas。

この会社が狙うのは、Ayala Land や Federal Land のような富裕層マーケットではなく、「MRT/LRT沿線でBPOオフィスに通勤する20〜30代の中間層」。フィリピン都市部でもっとも人口ボリュームがあるセグメントで、物件はほぼすべて駅とBPOハブの徒歩圏に配置されています。狙いがはっきりしているぶん、賃貸稼働率と利回りの両立で堅い実績を残しています。価格帯はSMDCと近く、300〜700万ペソ帯が中心。

代表プロジェクト

  • Kasara Urban Resort Residences(パシグ、C-5沿い)
  • The Paddington Place(マンダルヨン)
  • Pioneer Woodlands(マンダルヨン、MRT-3 Boni駅至近)
  • San Lorenzo Place(マカティ、EDSA沿い)

メガワールドグループの与信を背負いつつ、より攻めた価格で分譲するのがEmpire Eastのやり方。日本人からすると、賃貸運用に振り切ったサブポートフォリオを組みたいときに使える会社です。

3-6. Vista Land / Rockwell Land / Century Properties / Filinvest Land

Pasig River越しに望むRockwellとマカティ

最後にまとめて紹介するのが、それぞれ得意分野を持った4社。

デベロッパー グループ/PSE 特徴 代表案件
Vista Land & Lifescapes Villar家/PSE:VLL Manny Villar氏が率いるフィリピン最大の住宅供給企業。CamellaとLuminaブランドで全国50州以上に戸建てを大量供給する「地方大量供給型」 Camella Homes、Vista Malls、Kizuna Heights(日本パートナーと合弁)
Rockwell Land Lopez家/PSE:ROCK フィリピンで最も洗練されたラグジュアリー特化。もとMeralcoの火力発電所跡地を再開発したマカティ「Rockwell Center」が代名詞。量より質で外国人富裕層の需要も強い Rockwell Center Makati、The Proscenium at Rockwell、Power Plant Mall
Century Properties Group Antonio家/PSE:CPG Trump、Versace、Missoni、Paris Hiltonなど海外ブランドとコラボしたタワー分譲で差別化。郊外アフォーダブル戸建て「PHirst Park Homes」は三菱商事とのJV Trump Tower Manila、Milano Residences(Versace)、PHirst Park Homes
Filinvest Land Gotianun家/PSE:FLI 1955年創業。Alabang南部の複合開発「Filinvest City Alabang」(244ha)、Festival Mall、BPOオフィス「Northgate Cyberzone」を軸に、中間層向け戸建てとタウンハウスに強い Filinvest City Alabang、Festival Mall、Northgate Cyberzone

4. 日本企業とフィリピン大手デベの合弁マップ

フィリピンの大手ディベロッパーは、日本の総合商社や不動産会社と組んでいるケースがけっこうあります。日本ブランドの与信を評価する日本人投資家にとっては、下の一覧が判断材料になるはずです。

フィリピン側 日本側パートナー 案件・関係性
Ayala Corporation 三菱商事 1970年代からの資本参加、再エネ/不動産JV
Federal Land 野村不動産HD Federal Land NRE Global(FNG)設立、The Seasons Residences(BGC)
Federal Land 三越伊勢丹HD Mitsukoshi BGC(フィリピン初出店)
Megaworld関連 三菱地所レジデンス/野村不動産/三越伊勢丹HD BGC旗艦「The Seasons Residences」の4社コンソーシアム
Suntrust Properties
(Megaworld子会社)
阪急阪神不動産 The Sapphire Bloc(オルティガス)
Robinsons Land 双日(Sojitz) Chimes Greenhills、ラグジュアリー住宅JV
DMCI Homes 丸紅(Marubeni) The Valeron Tower(パシグ)
Century Properties 三菱商事 PHirst Park Homes(郊外アフォーダブル戸建てJV)
Vista Residences 日本パートナー Kizuna Heights(Taft Avenue)

念のためですが、一部の日本語メディアで「SMグループは三菱系」と紹介されることがあります。これは事実ではありません。SMDC/SMグループと三菱地所の公表JVは存在せず、三菱地所がフィリピンで公式に組んでいる相手は Federal Land(GT Capital/Metrobank系)です。

5. 目的別・どのディベロッパーを選ぶか

ここまで紹介した会社を、投資家の目的別にざっくり整理します。

完工リスクを何より抑えたいなら

Ayala Land か Federal Land。1834年創業のアヤラ財閥、メトロバンク+トヨタPHを擁するTy財閥という、フィリピンで一番信用力の高いグループが親会社です。プレセリング物件でも安心度が違います。日本ブランドとの合弁案件(The Seasons Residencesなど)は特に日本人富裕層向け。

予算を抑えて始めたいなら

DMCI Homes か SMDC。500〜1,500万ペソ帯(日本円で1,300〜4,000万円台)で参入できます。DMCIは建築品質と省エネ設計、SMDCはモール隣接と分割の柔軟性で棲み分けています。プロパティPHで扱う物件の中心価格帯もここです。

街区全体の成長性で選ぶなら

メガワールドかロビンソンズランド。McKinley Hill や Uptown Bonifacio や Bridgetowne のように、街ができていく過程を買うイメージです。BPOオフィスの安定需要とREITでの資産回転が魅力。

最上位ラグジュアリー

Rockwell か Century。マカティ Rockwell Center、あるいは Trump/Versace/Missoni コラボのブランドタワー。単価は張りますが、二次流通で価格が落ちにくいのが特徴で、資産保全目的の富裕層向けです。

地方都市・リゾート物件

Vista Land や、セブ地盤の Cebu Landmasters(掲載中の Kalea Heights を開発)。AirBnBやリゾート賃貸を狙う場合はセブが有力候補。Alabang南部エリアなら Filinvest です。

まとめ

フィリピンのプレビルド不動産は、「どのディベロッパーが建てるか」で結果の大半が決まる、と考えて間違いないと思います。表面利回りや立地の良さに飛びつく前に、まず親会社の財務体力、完工実績、過去プロジェクトのアフターサービスをチェックしてください。

プロパティPHでは、DMCI Homes・Federal Land(野村合弁)・SMDC・Cebu Landmasters・Golden Topper、そして丸紅×DMCIといった、信用力の高い主要ディベロッパーの物件を厳選して情報提供しています。物件の詳細、現地視察ツアー、購入相談は物件情報一覧お問い合わせフォームから。

基本知識は「日本人がフィリピンの不動産を購入する方法」、税金と規制は「不動産購入の規制と税金」の関連コラムでも解説しているので、合わせてどうぞ。

※本記事の情報は2026年7月時点の公開情報に基づきます。各社の最新の分譲状況・価格・スペックは公式サイトまたはプロパティPHまでお問い合わせください。
※出典:各社公式サイト・PSE開示資料、Inquirer.net Business、BusinessWorld、Nikkei Asia、Rappler、property-ph.net 掲載情報。

ABOUT ME
永田 智睦
API Gateway株式会社 代表取締役/CFP®認定者(上級ファイナンシャルプランナー)。フィリピン不動産に特化して10年、物件契約数700件以上・現地管理件数120件超の実績を持つ。自身もフィリピン現地に定期的に渡航し、デベロッパーとの関係構築や物件調査を行う。著書に『人生の選択肢を増やす資産スイッチ』(Amazon)、『脱・高収入貧乏』(幻冬舎)など。不動産だけでなく、お客様のライフプラン全体を見据えた資産形成のパートナーとして伴走することをモットーとしている。