海外の不動産で収益を得る場合、自身が保有している物件を賃貸に出し毎月の家賃収入を得る方法と売却での利益を得る方法があります。
この記事では、海外不動産の賃貸を行う際の流れや日本の不動産と違う注意点などを解説します。
海外不動産の賃貸に興味のある方や初めてで不安のある方はぜひ読んでみてください。
ツアーや個別面談などもやっていますので、お気軽にLINEでお問い合わせください。
目次
フィリピンで賃貸を行う流れ
購入した物件を賃貸で貸し出す場合、自分で対応するか信頼できる賃貸管理業者を探すパターンがあります。
一般的には購入した代理店や仲介会社が依頼を受け、現地の賃貸サイトやSNS、現地の人脈、不動産業ネットワーク等を駆使して募集をかけていきます。賃借人が見つかり次第、契約期間(半年〜2年が一般的)、入居人数、月額賃料やその他事項(代理店への手数料:賃料 1ヶ月分が相場)セキュリティーデポジットの預かり金額などに双方合意できたら賃貸借契約を締結します。契約作業は、依頼した現地スタッフが代理人として賃貸借契約を行います。締結後は契約書の控えを送付してもらい保管しておきましょう。
賃貸管理会社へ依頼する際は、現地での賃貸に向けた相談を早めにすることが大切です。プレビルド物件であれば遅くとも完成の半年前から具体的な貸出方針について相談しましょう。
物件を購入した業者が賃貸管理を業務として行っていなければ、日本もしくは現地在住の管理業者にコンタクトをとるようにしてください。
日本の不動産と異なる注意点
フィリピンで賃貸を行う場合、一般的な流れは日本で行う場合と変わりは有りませんが、いくつか根本的に日本の慣習と違う部分がありますので注意点をご紹介します。
事前に家具家電の用意が必要
フィリピンで賃貸を行う場合、日本と違い物件を貸し出す前に生活に必要な家具家電を揃えておく必要があります。要は家具家電つきの物件が好まれるということです。家具家電の用意を業者に依頼する場合は、業者側のコーディネーターが市場のニーズ・賃貸方針(現地人に貸す、学生に貸す、駐在員に貸す等)・オーナーの予算に応じて家具家電を購入し設置まで行います。
現地で自ら購入し設置することもできますが、交通費も時間も掛かるため業者へ依頼することがおすすめです。
日本と異なるトラブルの対処方法
月額賃貸料が支払われなかった場合
フィリピンでは、個人で賃料を小切手で支払うケースが多いです。契約期間中までの日付が記載された先日付小切手を賃借人から契約時に預かるパターンもあります。小切手での支払いは未払いが発生する可能性が低くなります。日本と違い賃料未払いのリスクが初めから低いため安心です。
万が一賃料が払われなかった場合現地スタッフにて直接家賃の回収を行います。家賃の数ヶ月滞納するケースだと賃貸借契約書の取り決めの通りにセキュリティーデポジットを賃借人に返却せず、賃借人を退去させる処置を行います。
備え付け家具家電製品が破損した場合
賃貸借契約の際に、原則入居者から預かったセキュリティーデポジット(月額賃料の2ヶ月分)から負担してもらいます。セキュリティーデポジットは退去時に返却されます。購入や設置については、代理店の現地スタッフが行うためこちらに手間が掛かりません。
賃貸運用で気をつけること
エリアに合わせた賃貸戦略を立てる
物件を所有するエリアによって、集まる人に特徴があるため信頼でき且つ実績のある業者のもと、賃貸経営戦略を立てていくことが重要です。マカティ、BGC、Ortigasなどは国内大手企業や外資系企業に勤めている現地人、空港近くのエリアでは外国人や駐在員などが数多く集まる傾向があります。
経費や税金を考慮した利益で考える
フィリピンで賃貸を行う場合の表面利回りは8~10%程度、経費や税金を引いた実質利回りは5~6%程度が一般的でしょう。エリアだけでなく実質利回りについても、代理店と相談のうえ想定の利益を確認しておきましょう。またフィリピンでは家賃相場が日本ほどきっちり決まっておらず、賃借人の属性によっても賃料がかなり変わってきます。家賃の改定も契約期間終了手前毎に行っていきますので、代理店としっかりコミュニケーションを取りつつ進めて行きましょう。
まとめ
今回は、海外不動産の賃貸を行う際の流れや注意点をご説明しました。
賃貸として物件を貸し出す場合、自分で全て対応するか賃貸管理業者へ依頼する方法があります。
プビルド物件であれば完成の半年以上前から具体的な賃貸の方針について業者と相談するようにしましょう。
フィリピンにおける物件賃貸は、基本的に日本とほとんど変わりませんが事前に家具家電の用意が必要なため注意が必要です。家具家電が破損したら、入居者から預かったセキュリティーデポジット(月額賃料の2ヶ月分)から負担してもらいます。家具の設置などは代理店に依頼した場合対応してもらえるケースが殆どですので時間的負担なくフィリピンでの賃貸を始めることが出来ます。また、家賃についても日本と違いフィリピンはほとんどが小切手を使用しているため未払いが発生する可能性が低く安心です。
賃貸の運用は、事前に信頼できる業者としっかりと戦略を検討するようにしましょう。エリアごとの特徴や税金などを差し引いた実際の利益の想定などを代理店と検討し決めておくことが重要ですよ。
これで、フィリピンで賃貸を行う流れが分かったのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしてみてください。
コラムニスト紹介
永田 智睦 (ながた ともちか)
API Gateway株式会社 代表取締役(CFP®認定者)
6年間金融機関に勤務後、個人保険代理店を営み法人化。
現在はフィリピン不動産販売会社や独立系FP事務所を中心に3社経営。
金融業界15年、独立して10年の経験を持ち、個人プランニングを約1000名近くの相談を受ける。
なおAPI Gatewayはフィリピン最大手財閥系デベロッパーの正規代理店として2019年、2020年と2年連続で日本マーケット売上高1位の実績がある。