近年、移住や駐在、留学を目的にフィリピンでの生活を選ぶ日本人が増え、「フィリピン 賃貸」に関心を持つ方が多くなっています。しかし、現地の物件事情や契約の流れは日本とは異なり、「どのエリアがおすすめ?」「コンドミニアムと一軒家の違いは?」「費用はどのくらい?」と、不安を感じている方も少なくありません。
この記事では、家賃相場や物件選びのポイント、契約時の注意点まで、安心して賃貸物件を探すための方法をわかりやすく解説します。フィリピンで理想の住まいを見つけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
フィリピンで賃貸物件を探す前に知っておくべきこと

まずは、フィリピンで賃貸物件を探す前に知っておくべきポイントを解説します。
日本とフィリピンの賃貸事情の違い
フィリピンの賃貸は、日本とは異なる点がいくつかあります。契約時に礼金は不要で、デポジット(敷金)は1〜2か月分が一般的です。保証人制度はほとんどなく、入居審査も比較的緩やかですが、高級物件では書類提出を求められることもあります。
退去時には、日本のような原状回復費用の請求は少なく、通常はデポジット内で精算されます。契約期間も短く、6か月〜1年の短期契約が主流です。
なお、外国人は土地の所有が認められておらず、原則として賃貸または条件付きのコンドミニアム購入のみが可能です。
新築物件と中古物件の違い
フィリピンでは、新築と中古の賃貸物件で特徴が大きく異なります。新築のコンドミニアムやアパートメントは、最新設備やセキュリティが整っており、ジムやプールなどの共用施設も充実していることが多いです。その分、家賃はやや高めに設定されています。
一方、中古物件は家賃が比較的安く、コストを重視する人に向いています。ただし、設備の老朽化やメンテナンス状況にばらつきがあるため、内見時の確認が重要です。
築年数による価値の下落は日本ほど顕著ではないものの、建物の状態や管理体制によって住み心地に差が出るため、自分の希望や予算に合った物件を選ぶことが大切です。
日本人におすすめのエリアとその賃貸相場

日本人にとって暮らしやすく、住環境や利便性の面でも評価できる、代表的なエリアを2つご紹介します。
メトロマニラ周辺
メトロマニラ周辺で日本人駐在員に人気が高いのは、マカティ市(グリーンベルト周辺・ロックウェル)と、タギッグ市のBGC(ボニファシオ・グローバルシティ)です。いずれも都市開発が進んだ高級エリアで、生活利便性や治安の良さから、日本人にとって暮らしやすい環境が整っています。
マカティは商業施設や高級ホテルが多く、日本語対応のサービスも見られるほか、BGCは街全体が新しく、日本食レストランやインターナショナルスクールも充実しています。
家賃相場は物件の種類やグレードによって幅があり、ローカルアパートは月1万〜3万円程度、コンドミニアムは4万円以上が目安です。マカティやBGCの高級物件では、月7万〜10万円以上になることもあります。
セブ周辺
フィリピン第二の都市圏であるセブは、日本人にも人気の高いエリアです。セブシティのITパークやアヤラセンター周辺、バニラッド地区、そしてマクタン島のリゾートエリアは、安全で生活しやすいと評価されています。商業施設や日本食レストランも充実しており、利便性の高い地域です。
家賃はマニラに比べてやや割安で、都市部のコンドミニアムでは1ベッドルームが月2万5千円程度から、2ベッドルームで月6万円前後が目安です。高級物件ではマニラ並みの価格帯もありますが、郊外や築年数のある物件はより手ごろな場合もあります。
特にマクタン島は空港に近く、日本人コミュニティもあり、長期滞在にも適しています。物件選びでは、周辺環境と家賃相場をよく確認し、自分のライフスタイルに合った地域を選ぶことが重要です。
賃貸物件の種類と特徴

フィリピンで借りられる物件は、主にコンドミニウム(分譲マンションの賃貸)と、ローカルアパート、一軒家に大別されます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、住み心地や管理体制、費用感なども異なります。自身のライフスタイルや目的に合わせた選択が重要です。
コンドミニアム
フィリピンの都市部では、高層でセキュリティが整ったコンドミニアムが主流です。24時間体制の警備に加え、プールやジムなどの共用施設も完備されており、安心して暮らせる環境が整っています。
多くの物件は家具付きで、ベッドや冷蔵庫、洗濯機などが揃っているため、契約後すぐに生活を始められます。こうした利便性から、単身赴任の駐在員や短期滞在者に特に人気です。
家賃はやや高めで、警備や共用施設の利用料込みで月4万〜10万円以上が一般的です。快適さや立地の良さを重視する人に選ばれています。
ローカルアパート
フィリピンのローカル賃貸には、低層アパートや長屋形式の住宅が多く、地元住民向けに提供されています。マニラでも月3万円あればから借りられる物件があり、広めの間取りが特徴です。
一方で、建物は簡素な造りで、エレベーターや発電機がない、シャワーにお湯が出ないといった日本人には気になる設備面の違いが見られることもあります。内見による事前確認が重要です。
地元の暮らしに近い環境で生活できる一方、セキュリティや衛生面ではコンドミニアムに比べて劣る場合もあるため、生活水準や安全面を重視する場合は慎重な検討が必要です。
一軒家(戸建て)
フィリピンでは、コンドミニアムだけでなく一軒家を賃貸することも可能です。都市部の高級住宅街では、庭付き・複数階建ての広々とした物件が多く、家賃は月8万〜20万円ほどで、ファミリー向けに人気があります。
一方、郊外やローカルエリアでは、より広い家を割安で借りられることもあり、月4万〜10万円程度の物件も見られます。ただし、水道・電気の安定性や交通の便などには注意が必要です。
戸建てを選ぶ際は、ゲートコミュニティの有無や治安、停電・断水の頻度などを事前に確認することが大切です。特に長期滞在や家族での生活を考える場合、周囲の生活環境をよく見極めましょう。
物件選びのポイント

フィリピンで物件を選ぶ際は、日本以上に地域差を考慮することが重要です。同じ都市内でもエリアによって雰囲気や治安が大きく異なるため、事前に情報収集を行いましょう。
治安
治安面を重視する場合は、警備員が常駐している物件や、外国人が多く暮らす比較的安全なエリアを選ぶと安心です。たとえば、マニラ首都圏のマカティやBGC、セブのITパーク周辺などは警備体制が整い、夜間でも比較的人通りが多いため居住地として適しています。
特に夜に外出する機会が多い人は、街灯が明るく人の往来があるエリアを選ぶことで、防犯上のリスクを減らすことができます。現地の交通事情やエリアの評判なども事前に確認しておくと、より安心して生活できるでしょう。
立地
立地は生活の快適さを大きく左右する重要な要素です。通勤・通学の利便性だけでなく、近くにスーパーや病院、飲食店などがあるかも確認しておきましょう。
都市部のコンドミニアムでは、商業施設に徒歩でアクセスできる物件も多く便利です。一方、郊外では自家用車が必要なこともあり、車の有無や周辺の公共交通の状況を事前にチェックすることが大切です。
特にマニラ首都圏では交通渋滞が深刻なため、通勤時間帯の移動に差が出ることがあります。可能であれば、平日の朝夕に現地を訪れて、交通状況や騒音なども確認しておくと安心です。
インフラ
物件を選ぶ際は、水道・電気・通信などインフラの安定性も重要なチェックポイントです。地域によっては計画停電があるため、自家発電設備の有無や水圧、インターネット速度などを事前に確認しておくと安心です。
高層コンドミニアムでは非常用発電機が設置されていることもありますが、戸建てや古い物件では備えがないケースもあります。災害時の対応に差が出る点には注意が必要です。
また、雨期には冠水しやすいエリアもあり、特に低地では浸水リスクが高まります。洪水履歴やハザードマップを確認し、水害の危険がないかを事前に調べることも大切です。
周辺設備
物件を選ぶ際は、徒歩圏内に生活に必要な施設があるかを確認することが大切です。特に車を持たない場合、コンビニやドラッグストア、飲食店の有無が暮らしやすさに直結します。
子育て世帯であれば、公園や保育施設、インターナショナルスクールの立地も重要です。また、日本食材を扱うスーパーや日本食レストランがある地域では、食生活への不安を軽減できるでしょう。
信頼できる不動産エージェントの選び方
良い物件を見つけるためには、信頼できる不動産エージェントを選ぶことが重要です。ここでは、その際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
資格と信頼性の確認
フィリピンでは不動産エージェントにも国家資格が必要で、PRC(専門免許庁)のライセンス番号の確認が信頼性の判断軸の一つです。名刺やWebサイトに記載されているか、提示を求めてチェックしましょう。資格のない業者は違法で、トラブルにつながる恐れがあります。
さらに、契約時には支払い方法・返金条件の確認も重要です。特に、個人名義の口座への送金を求められた場合は注意が必要です。契約や金銭のやり取りにおいても、透明性があるかどうかが信頼の指標になります。
実績と日本語対応の有無
実績のある不動産会社や、日系企業の対応に慣れた業者は安心して任せられます。知人の紹介や口コミで事前に評判を調べるのもよいでしょう。
また、日本語での対応が可能な業者であれば、契約内容の理解やトラブル時の対応もスムーズです。多少手数料が割高になる場合もありますが、リスク回避の面でその価値は十分にあるでしょう。
提案内容と対応の丁寧さ
信頼できるエージェントは、希望条件を丁寧にヒアリングした上で、複数の選択肢を提案してくれます。反対に、特定の物件を強引に勧めたり、説明が不十分なまま契約を急がせる業者には注意が必要です。
エージェントとのやり取りを通じて、対応の丁寧さや提案の的確さを見極めましょう。
フィリピンでの投資物件選びに失敗したくない方は、現地の情報を集め、信頼できる不動産業者を見つけることが重要です。弊社ではツアーや個別面談なども行っていますので、お気軽にLINEにてお問い合わせください。

フィリピン賃貸契約の流れ

フィリピンでの賃貸契約の流れを4つのステップで解説します。
賃貸契約までの流れ
フィリピンでは、気に入った物件が見つかればすぐに契約へ進めるのが一般的で、日本のような入居審査は基本的にありません。内見日を調整し、条件が合えばオーナー確認のうえ契約に移ります。
契約は対面またはオンラインで行い、必要書類はパスポートのコピーなど最小限です。観光ビザでも契約可能で、契約書は英語で作成されます。内容をしっかり確認してから署名しましょう。
初期費用と家賃の支払い
初期費用の目安は「前家賃1か月+デポジット2か月」に仲介手数料を加えた、家賃の3〜5か月分です。礼金は不要で、日本より総額はやや低い傾向です。
支払いは現金か国内銀行振込が主流で、PDC(ポストデーテッドチェック)の提出を求められることもあります。小切手口座がない場合は前払いで対応できるケースもあります。
契約後の手続きと入居準備
契約が完了したら、入居準備が始まります。必要な手続きや注意点を確認し、スムーズな新生活をスタートさせましょう。
契約完了後、鍵の受け渡しを行い、すぐに入居が可能です。入居時には備品リストや物件の状態チェックに署名するほか、コンドミニアムでは管理組合への届け出や、身分証・写真の提出が求められます。
全体の手続きは通常数時間以内に完了し、内見から数日で新生活を始められるのが一般的です。
契約時の注意点とトラブル防止策
フィリピンと日本では、賃貸契約に関する慣習やルールが異なる部分があります。ここでは、契約時の注意点とトラブルを防ぐための対策についてご紹介します。
契約書と条件のチェックポイント
フィリピンでは、賃貸契約書の形式が必ずしも統一されておらず、オーナーごとに内容が異なる場合があります。そのため、署名前にすみずみまで確認することが非常に重要です。英語の契約書が多いため、不安があれば日本語対応の担当者に確認してもらうと安心です。
契約書で特に注目すべき項目は、家賃や支払い条件、契約期間、修繕負担、内見対応義務などです。たとえば「退去直前の内見を受け入れる」といった特約が含まれていることもあるため、納得できない点は事前にエージェントやオーナーに相談し、修正を求めるのが望ましいでしょう。
解約時のルールと退去トラブル対策
契約期間中に中途解約をすると、支払済みのデポジットが違約金として没収されるのが一般的です。それ以上の追加請求は通常ありませんが、契約書に明記されているかは必ず確認しましょう。満了まで問題なく住んだ場合は、原状回復費用を差し引いた分が返金されます。
退去時のトラブルを防ぐため、入居時には物件の状態を写真で記録し、備品リストに署名しておくことが大切です。不当な修繕費請求を避けるためにも、最初の状態を記録として残しておきましょう。
金銭面の注意と詐欺の回避策
正式な契約前に金銭を渡すのは避けるべきです。特に、非公式な場での予約金支払いや個人口座への送金は、詐欺被害の原因になります。支払いが発生する場合は、必ず領収書を受け取りましょう。
依頼する業者が正規のライセンスを持ち、連絡先や事務所が明確であることも重要です。相場から大きく外れた条件の物件には注意し、不審点があれば契約を見送る判断も必要です。すべてのやり取りや支払いは記録に残すことで、万一のトラブルにも備えられます。
移住・駐在・留学|目的に合わせたフィリピン賃貸物件の選び方

フィリピンで賃貸物件を選ぶ際は、自分の渡航目的や滞在スタイルに合った物件選びが重要です。
以下では「移住(長期定住)」「駐在(企業派遣)」「留学(学生)」という目的別に、適した物件やエリアの選び方のポイントを解説します。
移住(長期定住・リタイアメント)
長期で暮らす場合は、生活コストや環境を踏まえて地域を選ぶことが大切です。都市の利便性を求めるならマニラが有力で、日本人も多く暮らしています。一方で、静かな生活を望むなら、冷涼な気候のバギオや、治安の良いダバオのような地方都市も候補になるでしょう。
まずは賃貸で各地に滞在してみて、自分に合った場所を見極めるのがおすすめです。気に入った地域があれば、外国人も購入可能なコンドミニアムの取得を検討してみましょう。
駐在(企業派遣での赴任)
駐在員の場合、通勤の利便性と家族の暮らしやすさが住まい選びのポイントになります。マカティやBGCの高級コンドミニアムは、セキュリティや快適性が高く、日本人駐在員にも人気のエリアです。周辺には日本食レストランや医療機関もあり、安心して生活できます。
家族帯同の場合は、教育環境も考慮が必要です。BGCにはインターナショナルスクールが集まり、治安も良好で子育てに適した環境が整っています。一軒家を希望する場合は高級ゲーテッドコミュニティも一つの選択肢ですが、一般的には利便性の高いコンドミニアムとなるでしょう。
留学(語学留学・大学留学)
フィリピン、特にセブ島は英語留学先として人気があり、日本人学生も多く滞在しています。短期の留学では、学生寮やAirbnbなどが便利で、水道・光熱費込みの物件も多く、手続きも比較的簡単です。
半年以上の長期留学では、コンドミニアムのルームシェアやシェアハウスも選択肢に入るでしょう。治安や通学距離を考え、学校に近いエリアを選ぶと安心です。契約期間に柔軟な物件もあるため、留学のスケジュールに合わせて無駄のない契約を目指しましょう。
まとめ
フィリピンでの物件探しは、日本との違いを理解し、目的に合った地域と住まいを選ぶことが重要です。契約制度や初期費用、物件タイプ、地域ごとの特徴など、押さえておきたいポイントはさまざまです。
フィリピンでの投資物件選びに失敗したくない方は、現地の情報を集め、信頼できる不動産業者を見つけることが重要です。弊社ではツアーや個別面談なども行っていますので、お気軽にLINEにてお問い合わせください。
