移住先や海外投資先として注目度が高いフィリピン。近年は世界各国の企業が多く進出しているため、ビジネス面でのフィリピン進出のメリットが気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、世界の企業がフィリピンへ進出する理由やメリット・注意点などについて解説します。世界の企業が注目するフィリピンの魅力や経済成長についてまとめているので、最後まで目を通してみてください。
目次
世界の企業がフィリピンへ進出している3つの理由
日本を初めとする世界各国の企業が進出先に選ぶことの多いフィリピン。その理由には、おもに以下の3点が挙げられます。
1.著しい経済成長
フィリピンでは近年海外企業の進出が多く、著しい経済成長を続けています。特にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業とIT企業が盛んで、国内の名目GDPも増加を続け、2024年には国内総生産が世界で34位という上位になりました。
参考:グローバルノート – 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信
2.長期的な人口増加

フィリピンの人口は2024年で約1.13億人を超え、日本の約1.24億人に次ぐ人口となりました。さらに、2030年までには日本の人口を追い越すとも予想されています。
特に生産年齢と呼ばれる15歳〜64歳の増加が非常に多いのが特徴です。労働力の増加は経済成長を後押しする大きな要因となるため、今後もフィリピンの経済成長が長期的に続くことになるでしょう。
出典:世界経済のネタ帳
3.公用語が英語
フィリピンは英語を公用語にしている国です。ビジネス面ではもちろん、日常生活でも英語で会話することができます。世界共通語でもある英語を使える点は、コミュニケーションの障壁が低く、スムーズなビジネス展開が可能です。
フィリピンへ進出する3つのメリット
次に、企業がフィリピンへ進出するメリットを3つチェックしていきましょう。
1.ASEAN市場への事業展開がしやすい
フィリピンはASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国で、加盟国が連なる中心地域に位置しています。ASEAN諸国へのアクセスが比較的便利なので、ASEAN地域全体での事業展開を検討する企業にとっては魅力的な立地です。
また、近年はフィリピンだけではなくASEAN全体で経済成長しています。東南アジア地域の2024年GDP成長率は4.6%で、この数字は日本より非常に高い水準です。
2.消費市場が拡大している
近年フィリピンでは中産階級が急増していて、消費市場の半分を占めていると言われています。特にスマートフォンや電化製品などのデジタル機器の需要が高く、ショッピングモールやスーパーマーケットなど、小売施設も増加。さらに、インターネットの普及により、オンラインショッピングが日常的に利用されています。
3.政府が海外企業への支援策を行っている
フィリピンでは政府が海外企業の誘致に力を入れています。投資誘致政策に基づいて設立された経済特区庁(通称PEZA)があり、経済特区内に入居する企業は税制優遇措置を受けることが可能です。
一定期間法人税や関税などの免除、輸出入ライセンス取得の手続きが一部免除されるほか、国内で就労できるPEZAビザがスムーズに取得できます。
フィリピンへ進出する際の2つの注意点
フィリピンへの進出はメリットが多くありますが、以下のようなデメリットもあります。
1.インフラ整備が進んでいない地域がある
フィリピンでは「Build, Build, Build(ビルド・ビルド・ビルド)」というインフラ整備政策が進んでいます。都市部では空港や地下鉄、道路の整備など急速に進められていて、ビジネス面でもスムーズな移動が可能です。
しかし、一部の貧困地域ではインフラ整備が進んでおらず、移動の不便さだけではなく、電力の供給が不安定な地域も少なくありません。こういった地域に企業が進出する場合、自家発電など電気が止まった時を想定した対策が必要になるため、大きな費用が発生することになります。
2.自然災害のリスクがある
フィリピンは熱帯低気圧が発生しやすい地域のため、ゲリラ豪雨が多く台風も年間約20回発生しています。また、活断層が近いので地震も少なくありません。
マニラ市街地などの都心部は整備されているので大きな被害は少ないですが、貧困層の多い地方では冠水などの被害が多く発生しています。
ビジネス面から見たフィリピンと近隣国(エリア)との違い
ビジネス面から見た、フェリピンと近隣国(エリア)にどのような違いがあるのか確認していきましょう。ここでは台湾とインドネシアの例を紹介します。
台湾との違い
フィリピン北西に位置する台湾は、製造業やIT産業が発展している国です。精密機器や半導体製造で高い技術力を持ち、世界的な電子機器メーカーが本拠地を置いています。台湾の国内市場は比較的小さく、海外市場への依存度が高いのが特徴です。
一方、フィリピンは人口増加を続けているため内需市場も高く、台湾に比べて人件費が安く、労働力が豊富な点が違いとして挙げられます。
インドネシアとの違い
セレベス海を隔て南方に位置するインドネシアはASEAN最大の市場であり、人口は2023年時点でASEAN諸国の中でも最も多い2.775億人です。国内GDBもフィリピンより約3倍高く、こちらもASEAN諸国の中で1位になります。
内需市場が大きいことが特徴で、輸出依存度も低いため直近20年の間で国民一人あたりのGDBが約6倍まで成長。インドネシアでは農業が盛んで、国内の主食でもある米は世界第3位の生産量を誇っています。
また、インドネシアでは、英語は通じるものの公用語はインドネシア語です。そのため、フィリピンに比べてビジネスコミュニケーションが円滑に行えない場合があります。
まとめ
世界の企業が次々に進出するフィリピン。大きな経済成長だけではなく、人口増加や消費市場の拡大など、様々な要因で企業が進出先として選択しています。同じように経済成長を続ける近隣国と比較しても、魅力的な国の一つと言えるでしょう。
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